京アニの事件は、我々に起こり得ることだと思う。

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ごきげんよう、古川だ。

先日、京都アニメーションのスタジオにて放火事件が起きた。死者数は30人を超え戦後最大の死者数の殺人事件となった。

亡くなられた方にはご冥福を、怪我をされた方には、一刻も早い回復をお祈りする。

 

今回の事件で最も大事なことは

「どこでも起こり得る事件」ということだ。

「この事件の問題は何か、どうすれば被害を最小限に抑えられるのか、今後類似の事件を発生させないためにはどうすればよいのか」が重要だと考える。

今回は、この事件から見る教訓を考えていきたい。

京アニの事件の概要

今回の事件の概要は、

鉄筋コンクリート造の建物に男が進入。

男は刃物を装備し、ガソリン40Lを携行。建物内にて点火、爆発させる。

結果、犯人含めて重傷者多数、死者33名。建物は内部全焼。

である。

ガソリンも非常に身近な爆発物であり、犯人も公安にマークされているようなテロリストではない。

ガソリン40Lの威力

さて、ガソリンによる放火事件とのことだが、果たしてガソリン40Lの威力とは如何ほどのものか。

下の動画はガソリン20L時の様子である。

ガソリン20Lに火をつけたらこうなる。20Lガソリンの爆破実験

もはや爆発である。

また、ガソリンは水では消化しにくく、大量の消火剤が必要となる。

テロとはなにか

テロとは、「政治のために暴力を行うこと」を意味する。

そのため、京アニの事件は政治目的が無いため、厳密にはテロではない。

だが、その被害規模や手段から自爆テロに相当するものと考える。

ソフトターゲットテロ

テロの対象は大きく2つに分けられる。

それが、ソフトターゲットとハードターゲットだ。

ハードターゲットとは、軍事基地や警察組織などの入退出が厳しく管理統制され、テロの標的としては非常に困難な場所を指す。

私は元陸自自衛官で駐屯地暮らしをしていたが、駐屯地は入り口に重厚な門、車止めの鉄条網、警衛隊の監視が24時間なされており、物理的なテロには大変強力である。(あくまで物理的であるが…)

 

一方ソフトターゲットとは、「民間施設や、非軍事警察の政府施設など」を意味する。

例えば電車や役所、個人の邸宅など、およそほぼ全ての施設がこれに当たる。

今回の京アニのスタジオもソフトターゲットといえる。

テロ事件はソフトターゲットを狙ったものが多く、地下鉄サリン事件はその典型だろう。

一酸化炭素が原因か

ガソリン40Lの爆発は凄まじいものだ。

至近距離に居るものは、爆発の衝撃と火炎によって重大な被害を受ける。

その後、空気中の酸素の減少で不完全燃焼になり、CO(一酸化炭素)が発生する。

この一酸化炭素が極めて厄介だ。

 

・COの比重は空気よりも軽いため、上昇する傾向にある。故に一階で発生したCOはどんどん上昇して被害を拡大させる。

・無味無臭の気体であるため、現場での判別が極めて難しい。

・少量であっても動物を容易く死亡させる。

・換気が十分でない部屋などで事故が発生する。

夏場のオフィスのような、締め切ってエアコンを付けているコンクリ製の建物で発生すれば、その被害は極めて甚大だろう。

実際、屋上に登るための階段で多くの死傷者が発見されたとのことだ。

もはや窓から飛び降りるしか方法はないのか…。

爆発等の緊急事態が発生したらどうすればよいのか

では、爆発が発生したらどうすればよいのだろうか。

正直、突然入ってきたやつがナイフを振り回してガソリンに火をつけたらもはや対処のしようがなさそうだが…。

できることと言えば、速攻で窓を開け、四の五の言わずにいち早く脱出すること。だろうか。

不審者が透明の液体をばらまき始めた時点ですでに緊急事態だと言える。

しかし、緊急事態に陥ると人は同行動を起こしたらいいかわからなくなる。

そのため、私は全職員用の緊急事態マニュアルを用意し、教育すると良いと思う。

これは何も不審者対策や震災時などを個別に書く必要はなく、

「緊急時には早急に窓を開け、周囲の状況を確認後、速やかに退避行動を取ること。PCの電源を切るなどの事は行う必要はない。生命を第一優先にすること」という1文が重要だ。

不審者を進入させない

爆発以前に不審者にはどうすればよいのだろうか。

日本のオフィスは、それぞれのフロアに入るためにはキーが必要だが建物自体には簡単に入れる場所が多い。

そのため、入り口のセキュリティを上げ、そもそもビル内に容易に進入できないようにするべきだろう。

建物に入るドアにカードキー認証システムを導入するなどだ。

言ってしまえば、マンションのオートロックをビジネスに広く普及させるという感じだ。

とは言え、日本は雑居ビルに複数の会社という形態が多いため中々難しい事も否めないが……。

刃物を持つ者に対処法など無い

これは個人的な経験だが、刃物を持つものには素手で対応しようがない。

情けない話だが、私が中学生の頃、不良に絡まれてナイフを出されて脅され、ビビって泣いた事がある。都内有数の不良校だったため不良に絡まれるのは慣れていたが、ナイフを出された瞬間心臓を掴まれたようなとてつもない恐ろしさを感じた。

時が経ち、徒手格闘訓練をした際、レンジャー持ちの助教に「相手が銃剣を持っていて、こちらが素手の場合、ほぼ死ぬからな」との助言(?)を頂いた。

(そもそも普通の野戦では徒手格闘するほど敵と接近することはあまり無い。)

なので、ナイフを持った人間と対峙したら戦ったり、説得するなどということは一切考えないほうが良い。

逃げるだけだ。

もし電車や新幹線で起きたらどうなるか

さて、今までは鉄筋コンクリート造のオフィス内で発生した場合を考えたが、電車や新幹線で起きることも十分に考えられる。

40Lの威力は先程動画を出したとおりだが、あれが高速で移動する電車で発生することを考えるとその被害は想像を絶する物になるだろう。

そのため、新幹線では危険物検査のゲートを設ける必要があると考える。

結論、未然に防ぐしか方法は無い

正直、ここまで書いていて思ったが、

「ナイフを振り回す男がオフィスに入り、40Lのガソリンを爆発させる」

時点でもはや対応もへったくれもない。

急いで逃げるか、

未然に防ぐしか術はないと思う。

しかし、実際発生したら、逃げるったっていざ窓から飛び降りるとなれば相当の勇気が必要だし、実行できるかと言われればかなり厳しい。

未然に防ぐったって、現在の民間の建物は「テロが起きること」を前提に作っていないため、設備も装備もない。

国民一人ひとりが「自分も巻き込まれるかもしれない」ということを鮮明に受け取り、常に避難経路を頭の片隅に入れるなどの高度な意識付けが根本的な解決なのかもしれない。

重ねて

この現場での痛みと熱と恐怖は想像を絶するものだろう。

亡くなられた方のご冥福と、生きながらえた方の心身の傷が一刻も早く癒えることをお祈りするばかりである。

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